東京に帰る次男家族 ジ-は椿をいける
次男が2人の息子を連れ立って帰省したが今朝は旅だつった
何時ものことながら学生の頃から年末に子供たちを迎入れて
正月には早々送り出す
もう何年間同じことを繰り返すことだろう
親子でしみじみと心を開いて語り合うことはまれなことになった
現代は忙しい 否忙しすぎるのだ
年老いたジ-は その点ゆっくり花を生ける
白い椿 好きな枝を選んで切り取った 広い庭の西日の当たる辺りの椿は
葉がしまり堅い枝 時によっては堅すぎて気持ちに馴染まないこともある
一方西日が当たらない椿は力が抜けてさらっとしている
何も椿に限ったことでは無いが 花材としてはためがきき 少々捻っても
折れない枝は扱いやすい
これから椿のシ-ズンでもある 土地柄椿は藪椿を初め花材は豊富なので
この時期は大いに椿を生けたい
椿の生け花は葉を一枚ずつ布で磨けば驚くほど艶が出る
ぴかぴかに光り花の色との対比がよくなる 枝もしかり丁寧にためていると
素敵な曲線を表してみせる 枝の線と線を近づけたり離したりしている内に
いつか程よく緊張して味わいのいい形を見せてくれることがある
その状態を見いだして作品を仕上げれば
生け花は心いい楽しさを醸し出してくれる